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日記15「北海道にいた事情」(57日目6/29(チャプタ―2から)~58日目6/30)
NO57・・・・6月29日(火)チャプタ―2
話題1「アメーバブログで知り合った彼女を追いかけて北海道へ行ったこと」
設備の方も今日で転勤になるので話をした。この人とは初対面なので、濃い話をしたわけではない。
次の配属先は「倉庫」の設備の仕事らしい。どちらかというと「楽な仕事」と噂されているが、レアな業種のためネットでの情報は少ないという。
警備業でも「倉庫」の警備は楽だと隊長のIさんは言っていた。
今日話した中でひとつ印象に残っているのが、僕の話だ。僕は6年間北海道にいた。
過去に6年間北海道にいた人物で現在、警備員をしているって、その情報をこのブログに書くだけで、もう人物が特定されてしまいそうで怖い(笑)
ざっくり説明すると僕はアメーバブログで知り合った彼女を追いかけて北海道に行って、振られて帰ってきたということになるのだが、彼女に振られてからも何年か北海道にいたということを聞いた設備さんは
「北海道が過ごしやすいということですよね?彼女と別れてからも北海道にいたということは・・・」
そうやって言ってきた。
これは大きな誤解がある。
話題2「北海道へ行くための費用について」
まず、わかりやすいからお金の問題をもとに説明しよう。僕を例にとってみると、京都から北海道へ行ったとき、45万円くらいお金がかかった。
北海道で賃貸住宅を探す旅行費、約5万円~(泊数によって変動する)。
1Kアパートの賃貸住宅の初期費用、約12万円。
サカイ引越しセンターで、京都から北海道へ荷物を運ぶ賃料、約10万円。
北海道へバイクと一緒に移動する移動費、3万円。
ここまででざっと30万円はかかる。これは最低かかると思ったほうが良い。
それから京都から北海道へ移動するとしたら、仕事を退職しなければならない。
退職しなければならないから、15万円くらいは生活費用として蓄えておいた方がいい。
僕の場合45万円で済んだけど、すぐ仕事が見つからないということを想定して本当は100万円くらいあったほうが良いわけだ。
話題3「北海道に住もうと思ったらどれくらいの準備期間がかかる??」
さて、ここで質問です、北海道から大阪へ帰りたいと思った時、どれくらいの準備期間がかかりますか??
家を見つけるだけでも10日間くらいはかからないだろうか?
そして職場を退職するのに1ヶ月はかかるだろう。
もし100万円の貯金がなかった場合、1ヶ月どころか半年間、貯金生活をするハメになったりなどもあるので、すぐ退職できるかどうかもわからない。
ということは僕が「北海道にいるほうが居心地が良くて北海道にいた」わけがない。
友達も身内もいない、彼女にも振られてしまった、完全に隠居みたいな生活で、北海道に愛着があるのか?青春時代も北海道で過ごしていないのになんの未練がある??
「北海道が過ごしやすいということですよね?彼女と別れてからも北海道にいたということは・・・」
これを設備の人は発言したが、軽はずみすぎて、僕は頭カラッポ状態になった。
そんなに簡単に北海道に引っ越せるもんなら、あなたも北海道に引っ越したらどうですか?
無理でしょう、済む家も探さないといけない、北海道に自分の知り合いもいない。
仕事で行くとかでない限り無理だろう。
それでも僕は北海道へ行って一人で6年間も生きてきた。彼女にも誰にも金銭的な支援は受けていないし、借金もしていない。
それができる人間が限られた人間であるということを、どれくらいの人が理解できるんだろう。
僕の苦労を理解されたいわけじゃないけどね。
話題4「上司からのダメ出し」
いくら経験したてのほやほやの記憶でも、もはや半分以上失念してしまっている。
この日は、隊長Iさんとの最後の勤務だ。9月に帰ってくるが、7月と8月は隊長Iさんは東京オリンピックの警備へ行く。
たった2ヶ月とわかっていても、最後かと思うくらい今日の勤務でのIさんとのコミュニケーションは印象的だった。
隊長Iさんとの会話で覚えているのは、普段の通勤時の服装についてである。
会社は服装について厳しいということで、僕が会社に「ウエストポーチ」で来ていることをまず指摘した。
ウエストポーチがダメというのではなくて、デザインが「アウトドア」なのがイケないということらしい。
まぁ隊長Iさんからは「ウエストポーチやめてほしい」という雰囲気がふんだんに漂ってはいたのだが(笑)
細かい指摘はたくさん続いて・・・
Tシャツで通勤したらダメだということも言われた。
「もっと小綺麗な格好で来てほしい」と。
「あなたが汚い格好で来ているというわけではないし、小綺麗っていうのは抽象的すぎるけれど、カッターシャツかポロシャツで出勤してほしい、あとズボンはGパンはあかん」と言われた。
そして「勤務中は革靴で勤務してください」とも言われた。
ちなみに僕はGパンで出勤したことはない。靴は真っ黒なスニーカーで勤務している。
隊長Iさんは「2か月後、僕が帰ってきたときは、ちゃんとした格好になっていてくれよ」とこの会話の最後に捨て台詞を吐いた。
話題5「シャワールームがあることを初めて知らされる」
その後は深夜1時からの閉店業務はその流れを打ち合わせした。さっきM君が帰る前にM君と打ち合わせしたのに・・・
それもひとつひとつ細かく口で説明しなければいけなかったため、実際の作業よりも説明のほうが難しかった。
難なく閉店業務を終わらせて、警備室に戻ると「知ってたか?シャワールームあるんだぞ、ここ、休憩所のドアに」と言われ、僕は「えぇ!?」と思った。
誰もそんなことを教えてくれなかった。
だが隊長Iさんは付け加えた「誰も使ってないけど」
僕は早速、シャワールームを確認した。
ホコリがびっしりついていて、灯りを付けると、床に数匹ばかり、コバエのような虫が死んでいた。
僕は「まずは掃除してから使った方が良い」と思ったのと、「シャワーを浴びたらスキンケアしなあかんから面倒くさい」って思ったのとで、今日はここを使用するのを中止した。
話題6「あんまり怒るなと僕は上司に立てついた」
翌朝、6時、開館業務の前にトラブルがあった。
僕が着替えて警備室に行くと、隊長Iさんは「くぐり戸あけてきてくれへんか?」と言ってきた。
24勤務は研修入れて4回目だが、初めてそんなこと言われた。
僕は「はいわかりました」と言って、
「すぐ行って開けてきてくれ」と言われ、
「はい」と言って無線機や鍵のケースなど外行き用の準備をしていると
「そんなんいいから、くぐり戸ってわかるか?」と言われ
「はい、くぐり戸ってひとつしかないのでわかりますよ」と言って、準備していると
「早く行ってくれ」と言われ、急かされるままに僕は警備室を飛び出した。
この時間帯、外に出るルートは従業員用の通用口しかなく、店は閉店中なので特別なルートを通って行かなければならない。
僕はそのルートを考えるのに時間がかかった。とはいえ指示通りちゃんと一人で動くことができた。
しかし隊長Iさんからしたら「大丈夫か?」と思ったようだったので、僕は絶対怒られるという認識でいた。
既に隊長Iさんの「早く行ってくれ」の口調はイライラした感じだった。
僕は警備室に帰ってきてすぐ「なんだ、わからんかったんか?」と隊長Iさんに聞かれた。ここから怒られると思った僕は反射的に
「僕は対人恐怖症なので、あんまり怒ったりしないでくださいね」と言った。
隊長Iさんはそれを聞いて「それ、事務所の人間に言ったのか??」って言った。
僕は「いえ、言ってません」と答えた。隊長Iさんの口から僕が対人恐怖症という情報が広まることを僕は想像した。
「わからないならわからないって言えよ、あと俺は舐めた態度をとったり、仕事に対していい加減なやつには怒るからな」って隊長Iさんは言って「ちょっと休憩とってくる」と休憩室まで行った。
僕は自分が「対人恐怖症」と伝えたことがこの時は正しいと思った。
後でこのことが災いするならそのときは会社を辞職すればいい。
話題7「駐車場に車を停めるのを許可する際は、電話番号や名前を控えておけ、と教えられた話」
朝の開店業務を終え、納品受付の仕事をしていると、納品業者じゃない人が来た。
どうもこのビルで働いている従業員の人らしい。
「今日、退職するので、会社の荷物を車に積みたいんですが、駐車場使わせてもらってもいいですか?」とやり取りをした。
僕は臨時スペースに車を停めてもらって了解し、その従業員さんを見送ったのだが、
事後に警備室にそのことを伝えると「どれくらいの時間停めるか聞いたのか?」と注意を受けてしまった。
僕が「すいません聞いてないです。その人が受付に戻ってこられた時に聞いておきます」と答えると
「今はまだいいけど、お昼前の時間帯は納品業者で駐車場が混むから注意してね」と警備室に言われた。
またこの場合、万が一、車を移動しないといけないときのために、
従業員さんの電話番号と名前を控えておかなければいけない。
それだったら従業員さんが来た時点で、警備室と相談してから対応すればよかったと後悔した。
仕事って難しいんだなって思う。
だけど初めての警備業、初めての一人きりの24勤務で
そこまで気が回るんだったら、5年以上勤めてるプロの警備員は必要ないだろう。
6月30日へつづくend
NO58・・・・6/30(水)
話題8「電車の経路で、僕が会社から嘘の申請をしていた話(6月のみ)」
午前8時45分、僕は24勤務を終え警備室に帰ってきた。先に帰ればいいのに隊長Iさんは僕のことを待っていてくれた。
そして隊長Iさんから話があった
「電車、お前、A駅からB駅で乗り換えてC駅で通ってるのか?」と聞かれた。
「いえ、今はA駅からD駅で乗り換えてC駅に通ってます」と言った。
「D駅経由だと安上がりになるだろう?でも交通費計算を見たら、B駅で計算されてるぞ、まぁ、あなたの良心にそれは任せるけど」
つまり、僕が交通費を会社に請求する時、A駅→B駅→C駅で請求しているということだ。
だけど今はA駅→D駅→C駅で通勤している。
僕は1日あたり、およそ100円、交通費を多く請求していることになっていたのだ。
「わざとか?(金のために)」と隊長Iさんは言った。
僕は「実は、初出勤含む4日間は、本当にA→B→Cのルートで通勤していたんです。本社の人事担当者にそのルートで計上するように言われておりました」と告白した
「本当に言われたのか??」と隊長Iさんは疑った。
「実は僕は大阪に住み始めて半年くらいです。だから大阪のことは全然知りません。
ですので本社から言われたルートでしばらく出勤していたんです。
でも、このビルに勤務するようになってから隊員AさんにA→D→Cのルートを教えてもらいました。
試しにそのルートで出勤してみると、A→B→Cルートより通勤時間は速くなり、料金も往復で100円ほど安くなりました」
話題9「駐車場の話から北海道トークになった話」
そこで「北海道に住んでたのか?」と隊長Iさんは反応し、北海道トークになった。
僕は彼女を追いかけて北海道へ行ったこと、彼女の親と仲悪くなって結婚できなかったこと、僕と彼女が倦怠期だったときに僕が「なぜ結婚してくれない」と彼女を責めて喧嘩したこと。
それが原因で別れたこと。を説明した。
隊長Iさんは「彼女の親が結婚を反対してたんじゃなくて、彼女があなたと結婚したくなかったから、言い訳として『親が反対してる』ってあなたに言ってたんじゃないの??」
と疑ったが
事実とか真実とか抜きにして、僕は隊長Iさんに一切の嘘はついていない。
そして、自分の都合の良いように自分の経験を語ったりはしていない。
「そうとも考えられますね」と僕は答えた。実は僕は彼女の父親と同じ職場で働いていたから、
彼女と結婚させられないことは、彼女の両親から直接言われていたのだけれど・・・。
そして隊長Iさんは、帰り際にこうとも答えた。
「僕が父親やったら、やっぱり多くお金を稼ぐ男じゃないと娘の結婚を許可したくないね」と。
僕はなにも言わなかったけど。
「北海道までわざわざ娘を追いかけてきた苦労は誰も理解してくれない、
結婚するのに親の許可がいると最初からわかっていれば、
僕は最初から親が来てくれと言うまで北海道へは行かなかったよ」
そう心の中で思った。
話題10「人を憎まないために」
僕は人を憎む。
そうやって生きてきたのだと自覚できる。
だが、最近になって思うのは、人を憎まないために、どうすればいいんだろうか、ということ。
簡単な話だ。
人から怒られると「愛情」は感じない。だから相手が「僕のためになる」から怒っているのだとしても、僕は怒られたらその人を憎む。
じゃあ「僕に怒らないでくれ」と僕は不器用にも言うしかない。
「そうすればあなたの言葉を素直に受け止められるから」と。
こんな人間でいいのか、と思うけど・・・
僕が人を憎み、それがきっかけで対人トラブルになるなら、僕が人を憎まないほうが、対人トラブルは避けられる。
僕は心から対人トラブルが苦手なんだ。
余談だが、今後は結婚はしないし、一生独身でかまわないとも思ってる。end
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