(9冊目)怒る人は成功できない「怒らない人の頭の中」金川顕教 内容紹介

2021年4月10日

このブログを見ている皆様ならば
「怒りは2次的な感情であり、人間が怒るのは自分の意思決定である」
というのは既にご存じかと思います。
つまり他人のために怒るのではなく、自分の利益のためだけに人は怒るのです。
怒ることは恥ずかしい時代です。

あなたの怒っている映像がもしYouTubeでながれたら??
怒る上司の音声を録音してもしネットにアップロードしたら??

世間の反応は想像できるかと思います。

(9冊目)怒る人は成功できない「怒らない人の頭の中」金川顕教

結論から言いますと「怒る人はお金を稼げません」
なぜなら怒る事で「人間関係が壊される」からです。
つまり本書は、人間関係を大切にする人ほどお金持ちになる可能性があると匂わせている。
根拠は、多くのお金持ちは、生活や心の余裕から人に対しておおらかであり人間関係が良好であるからである。

・人が怒りを持つ事例紹介

人が怒る場面はたくさんある。本書はその事例から、対処法をまず説明している。
年収300万円の人、年収1千万円の人、年収1億円の人ならどう対応するか、で説明されており
非常にわかりやすい。
ただ、年収300万円の人は必ず怒る、感情的人間のラベリングをされているのは、ちょっといただけない。
そして年収1億円の人の対応を聞いたところで、本書を読む一般人がお金もゆとりもない状態で1億円の人と同じ対応ができるかという部分で疑問が残る。
そういうわけで本ブログではたんたんと事例に対する対処法を話していく。

ケース①仕事で無茶な要求をされた

理不尽な要求をされても、実際にそれが意地悪でも「上司が悪い」と結論づけてはいけません。
その先にある未来を見据えて、頑張れるだけ頑張ろう。

ケース②部下が仕事で大きなミスをした

ミスしたとしても相手の人格を否定してはいけません。
相手が「同じミスを犯さないために」どういう行動に出るか、それだけを話します

ケース③下請け会社がミスをした

たとえばこれが飲食店だったとしましょう。店主が業者の納品ミスを怒鳴り声をあげて叱ったら、
それを聞いた食事中のお客さんは、もう二度とその店には来ないでしょう。

下請け会社のミスは「そうか、仕方なかったね」と共感を示してあげてください。

ケース④自分のミスに相手が猛烈に怒ってきた

逆切れしてはいけません。
できれば謝罪しながらおもしろがりましょう「なんだかすごく怒っている、なぜこんなに怒っているのだろう?」
でも、そう、うまくはいかないので、録音することをオススメします。

ケース⑤仕事の打ち合わせに、30分遅れてきた。

まずどれくらい遅れるかを打ち合わせして、話す時間がとれなさそうなら、「怒らずに」予定調整するのがベストです。
理想を言えば、相手が遅れても待って、何事もなく打ち合わせすることです。

ケース⑥パートナーのだらしなさにイライラする

「あなたはこうせよ」と常にパートナーを縛ろうとしてはいけません。
しかし見過ごしてばかりではこっちにストレスがたまるので、まず相手に期待しないことです。
そして理想は「相手はどうしたいか?」を聞き出し、自分はそれに対してどう助けてあげられるかを考えましょう。

ケース⑦スマホの故障を修理にいったら、3時間待たされた・・・

イライラするのは普通のことです。
でも人生は笑って過ごしても怒って過ごしても同じです。限りある時間をできるだけ楽しく暮らしましょう。

ケース⑧混雑した飛行機で、子供が泣き止まない

イライラするのではなく、他者への共感を示し、寛容になり、
子供の泣く理由を想像し「長時間のフライトで、疲れてるのかな?」「退屈で飽きたのかな?」
そして自分にもなにか子供を喜ばすのにできることはあるか考えます。
そしてそれを実践すれば良いです。

ケース⑨宅配便の荷物が届かない・・・

何時に届くか問いただすのは当然です。しかし
「事故でもあったかもしれない」と相手を心配する余裕も必要です。
自分の都合を優先する前に、無知である自分を疑い
「怒るべきか」を冷静に考えてください。

ケース⑩インターネットで叩かれた・・・

同じように罵っても意味はありません。また反撃を受けて終わります。
戦いをしないでください。lineでのやり取りも同じです。
可能であれば、相手に「事情を説明してください」と促して、しっかり事情を聞くことをオススメします。

・怒らない人は成功する

怒る事は時代遅れです。インドネシアのバリ島では、人前で怒る事は「恥」とされている文化のようです。
怒らないことで成功すると明言している嘘くさい本書ですが、確かに「怒り」は成功に関係性はあるという根拠はあります。

そのひとつは「人間は怒るとミスが増える」といことです。

人が怒っている時には、実際に脳に体内の血液が集まり、本当に「頭に血が上って」います。
怒りは本来、自分の存在を脅かすものに対抗、排除するための感情です。
たとえば動物が自らのテリトリーを侵されたときに怒るのは、この防衛本能によるものです。
脅威を感じると、それから自分を守るべく、まず脳に血液を回して興奮状態に入ります。興奮していると、アドレナリンが分泌され、痛みや怪我の感覚が鈍くなりますが、これはある意味で「戦いの準備」です。その一方で「頭に血が上ると、脳の機能はオーバーヒート状態になり、冷静な判断ができなくなります」
緊張してあがっている際も同じなのですが、頭が真っ白になったり、普段はできることができなかったりと、脳のパフォーマンスは低下します。
ですから、怒りを抱いたまま仕事をしていると、普段通りの力が発揮されず、ミスが増え、効率も落ちるのです。

なお、1度頭に血が上ってしまうと、そこから30分~1時間は、元に戻りません。
怒っている人は、そもそも仕事ができる精神状態ではないのです。

もうひとつは「だいたい怒ることは他人に対してである」ということです。

怒りというのはほとんどの場合、他者に向けられます。
誰かのせいばかりにしていても、ただ人間関係がこじれるだけです。
「うまくいったら他人のおかげ、失敗したら自分のせい」と考えるようにするのが理想です。
それにより、成功しても謙虚でいられますし、失敗を自分事として捉え、改善していこうと思えるからです。
思い通りにいかないから怒りがわいてくるわけで、その壁を乗り越え、笑ってこなせるようになれば、すなわちそれが成長の証になります。

脳科学の分野でも、「よく怒る人の脳は成長しない」というのが、あきらかになってきているそうです。(ソースはありません)
「人を怒った」と過去を振り返る時、それは自慢話でも笑い話でもなく。不名誉なことなんです。

・とっさの怒りを鎮めるための処方箋

・10秒、時間を稼ぐ。

まず10秒、深呼吸したりして「冷静になろう」という気持ちを持ってください。その間、誰とも話してはいけません。
怒りの状態では、自律神経は交感神経優位になっています。これを、副交感神経に傾けるのです。

・その場から離れる

相手と距離を置くか、相手と自分の間に、第3者を入れて「自分がなにに怒ってるか」を説明してください。直接怒りの矛先に向かって怒りをぶつけても損しかありません。

・言葉で自分をなだめる

「まぁ。こんなこともあるさ」
「相手にもきっと事情があるはず」
「人間は完璧じゃない」
「起きたことはしかたない」

また、誰に対してでもなく「ありがとう」とつぶやくのも効果的です。
「もっとつらいことも乗り越えてきた」
「命を取られるわけでもないから大丈夫」
「これができたら、もっと強くなれるはず」
これは一例にすぎません。ネット検索などで探してみてください。

・怒りつつある自分を俯瞰する

怒っている自分を心の中で実況中継するのもいい方法です。
「今、ボルテージがどんどん上がっている」など、意識的に他者視点で自分を見る、心理学用語で言われる「メタ認知」が効果的です。
メタ認知で検索してみると、ノウハウを学ぶことができますので検索してみてください。

・ミラーニューロンは怒りも伝染する

自分が怒られてなくても、近くに怒っている人を見るだけで、無条件に怒りっぽい人になってしまう危険があります。
また、他人に怒られている時に逆切れするという危険もあります。
ミラーニューロンはモノマネ細胞という異名を持つのですが、他者の行動にみずからを重ね合わせるような際に、活性化することがわかっています。

たとえばスポーツを見て自分がプレーしているかのように興奮したり、映画を見て感情移入して涙が出たりするのは、ミラーニューロンです。
緊張している人のそばにいると自分も緊張するのはミラーニューロンです。

怒りも人から人へと伝染します。

できれば、相手の怒りを一歩下がった位置から、自分には関係ないと意識して俯瞰してください。
「きっとストレスが溜まっていたんだろう」「きっとつらいことがあったんだろう」と哀れみ同情すれば、自分の中から怒りは沸いてくることはありません。

・最後に光彦の評価

いかがでしたでしょうか?
この本の評価は★★★(5点中3点)です。すごく読みやすいという点での評価です。
中身は普通です。年収1億円がどうしたんだろうという感じに見えます。
読書嫌いの人は読みやすいのでいいかもしれません。

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