人間は一度「判断」してしまうと、別の視点から同じ物事を考え直すのは難しい。
自分の判断が正しいと思いこんでしまえば、それによって自分が苦しむことにもなりかねない。
視点を変えるのは難しい。だからこそこんな本も読んでみると良い。
(10冊目)3秒でハッピーになる「名言セラピー」ひすいこたろう 内容紹介
幸せは「なるもの」ではなく「気づくもの」です。
91年の秋の話です。台風が次々に上陸して、青森県のリンゴが9割も落ちてしまいました。
作ったリンゴの9割が売れなくなりましたから、リンゴ農家の人は、肩を落として嘆き悲しみました。
しかしこのとき、嘆き悲しまなかったひとがいるんです。
大丈夫、大丈夫と。なぜリンゴが落ちて売れないのに大丈夫なのでしょうか?
こういうことでした。
「落ちなかったリンゴを「落ちないリンゴ」の名前で受験生に売りましょう、1個1000円で」
すると、高いのに飛ぶように売れました。「落ちないリンゴ!」と受験生もとても喜んで食べました。
その方は、下に落ちたリンゴの9割のリンゴに意識を向けず、落ちなかった1割のリンゴを見ていたのです。
つまり、視点が違ったのです。
このようなエピソードを通じて、生きるコツを示してくれる内容です。いくつかのエピソードをピックアップします。
どうぞ、楽しんで見てくださいね♪
・エピソード1「ならば、今のままでもいいんじゃない?」
前の会社の社長とお客さんと僕の3人で、夕飯を食べていた時の話です。
お客さんが社長にこんな相談をしました。
「実は、私の娘は、いい年なのに結婚もせず、困っているんですよ」
それに対して、社長はこう答えました。
「娘さんに早く結婚して、不幸になってほしい、ということなんですね?」
「何言ってるんですか?、娘にしあわせになってほしいんですよ」
「でも、いまも一人でしあわせそうなんでしょう?」
「はい」
「ならば、いまのままでいいじゃないですか」
「あ、そうですね」
・エピソード2「しあわせへの最短距離」
とても奇妙な話です。
ドイツのお医者さんで、患者さんの血液を保存している方がいました。血液を見れば、その人がどんな病気か、すぐにわかるからです。
血液は密閉して保存してありますから、成分が変化することはありません。
ところが、2年後に分析してみると、なぜか血液成分に変化があらわれていたのです。
しかも不思議なことに、2年前にとった血液ではなく、現在のその人からとった血液に変わっていたのです。
意味、分かりました??
2年前になにかの病気にかかっていた人が、いまは健康になっていたとすると、2年前に保存していた病気のときの血液まで一緒にいまの健康な血液に変わっていたのです。
採血し、保存している血液の成分が、本人の健康状態に応じて勝手に変わるというのです。
しかし、このお医者さんは、2000人もの臨床をとって確認し、ドイツで論文を発表したそうです。
もうひとつ不思議な話をさせてください。
先日、牛島正人さんのボイストレーニングに参加したときの話です。
こんなワークがありました。
2人1組になって、自分の体の凝っている部分を、相手にマッサージしてあげるのです。
相手の凝っている部分ではなく、自分が凝っている部分を相手にマッサージするのです。
すると、なんと自分の凝りがほぐれるのです。あなたもぜひ試してみてください。
これはいったい、どういうことでしょう??
共鳴です
僕らは共鳴しているのです。
しあわせになりたかったら、自分探しをするのもいいけど、目の前の人にしあわせになってもらうほうが、案外、近道かもしれない。
・エピソード3「予想を100%当てた不思議な心理学者」
知り合いから聞いた話です。
彼の学校に、ある心理学者が講演に来たそうです。
講演が終わった後、その心理学者は各クラスにも少し顔を出しました。
そして、教室のうしろから40人くらいの生徒をざっと眺めて、
そのクラスの先生に小声でこう言ったそうです。
「あの生徒と、あの生徒、そしてあの生徒ね」
と、3人の生徒を指さしました。
「あの生徒たちは、これから成績がグンと伸びるから、気を付けて見ててください」
それから数か月して、なんとその3人の生徒の成績が、ほんとうにアップしたんだそうです。
先生は驚いて、「どうしてわかったんですか?」と後日たずねてみました。
すると、心理学者はこう答えたのです。
「当てずっぽです」
心理学者の「この3人の生徒は成績が伸びる」という一言で、先生の意識が変わったのです。
その生徒たちを見る先生の目が変わったのです。
すると、その生徒たちの成績が伸びはじめました。
種を明かせば、そういうことだそうです。
「あなたの見方が変わると、それだけであなたのまわりの人も変わる可能性があります」
・エピソード4「3秒で悩みが変わる視点」
あなたは1年前の悩みを覚えていますか?
その悩みをすぐに言えますか?
斎藤一人さんは講演会で、1000人の聴衆にこうたずねたことがあるそうです。
「1年前に自分がなにについて悩んでいたか覚えていますか?」
覚えていた人はなん人いたと思います?
あなたは1年前になにについて悩んでいたか、覚えていますか?
2年前はどう?
1000人の聴衆の中で、1年前の悩みを覚えている人は、一人もいなかったそうです。
つまり、あなたがいま悩んでいることも、1年後にはなくなってしまうのです。
悩みは勝手になくなるのです。
悩みとはなにか?
自分ではどうにもならないことを悩みと言います。
自分でどうにかなるなら、なんとかしてるはずだから、悩みになりませんもんね。
どうにもならないから悩んでいる。それが悩みの特徴。
しかし、1年後にはその悩みは勝手に消えているのです。
自分がなにかをして、あれを解決して、これを解決して、なんとか悩みを解消した、というものではありません。
悩みは自然と消えたのです。
つまり、こういうことです。
いま時計の針が1秒、1秒と時を刻んでいますよね。
時を刻むごとに、あなたの悩みは自然消滅しはじめているのです。
あなたがこの文章を読んでいる間にも、悩みは消滅の方向で進んでいるのです。
1年後には、思い出すことすらできないくらいに。
「時間はあなたの味方だったんです。いまこの瞬間にも、あなたの悩みは少しずつ小さくなっています」
・エピソード5「問いが人生を変える」
いきなりで申し訳ありませんが、あなたはオフィスビルのオーナーだとします。
「エレベーターが遅い、なかなか来ない」と住人からクレームがありました。
さて、あなたはどう対応しますか?
□エレベーターを新たに追加する。
□もっと大きいエレベーターにする。
□多業種のテナントを入れて、始業・終業がズレるようにする。
対応はいろいろあると思いますが、上記の対応はどれも時間もお金もかかりますよね。
シカゴの、あるオフィスビルのオーナーは、まさにこの問題に直面したのです。
「エレベーターが遅い、なかなか来ない。
ことならテナントから出て行く」
と苦情が来てしまいました。
さぁ、大変です。
しかし苦情は翌日すぐに消えた・・・・。
なにをしたのでしょうか?
翌日、エレベーターホールの壁には、鏡が取り付けてあったのです。
「エレベーターをどうやって増やすか?」と考えるとお金がかかります。しかしこのオーナーは、
「どうやって、待っているときのイライラを解消できるか?」と問うたのです。
問いが変われば答えも変わるのです。
もう一例挙げますね。ある調味料メーカーで実際にあった話です。
調味料の売上が下がってきたので、社内で会議を行いました。
「どうすれば売上が上がるか?」
優秀な社員が集まり、アイデアを出し合っていろいろ試したそうですが、結局、売上はなかなかあがらなかったそうです。
そんなときに、こんなことを言う女性社員が現れたのです。
「出てくる穴の大きさを、2倍にしたらどうだろう?」
試してみたところ、なんと売上倍増。
彼女は問いが違ったのです。
「どうすれば売上が上がるか?」ではなく
「どうすればもっと早く買ってもらえるかしら?」だったのです。
人生を変える極意。それは問いを変えてみることにあります。
あなたは、答えの出ない問いに悩んでいませんか?
「行き詰ったら、問いを変えてみよう」
・エピソード6「ライバルは誰だ?」
渡邉美樹氏は、ワタミ株式会社のCEO。
居酒屋業界にすい星のごとくあらわれた「和民」は、
2000年に東証一部へ上場。
いまや日本のトップランナーの外食企業です(本書は2005年の発行ですので、2005年当時の情報です)。
渡邉氏は25歳で起業、20年にわたるキャリアの中で、ひとつ気づいたことがあると言います。
それはなにか
「ライバルを追いかけても、ライバルの足跡を追っても、彼らを超えることはできない」ということだそうです。
渡邉さんが会社を作ったとき、すでに「すかいら~く」は1000店舗を超えていました。
外食産業を志す以上、そこを目指そうとしますよね。
でも、それでは勝てないということに、気づくのだそうです。
では、渡邉さんの経営方針は?
次の質問に対する答えに、それが凝縮されていると思うのです。
「ライバルはどこですか?」
との記者の質問に、渡邉さんはこう答えています
「昨日の和民(わたみ)です」
まわりは関係ない。大切なのは、昨日よりよくなること。
昨日より、どこかひとつでも改善されること。
その積み重ねが「和民(わたみ)らしさ」となる。
昨日の和民よりも、今日の和民。
「どうすれば昨日の自分より1mmでもよくなるだろうか?
その積み重ねがあなたらしさになる」
・エピソード7「ありえないところまで行く方法」
サラリーマンをやめて、なんと20歳を過ぎてはじめたボクシングで世界の頂点に立った男がいます。
プロボクサーWBC世界Sフライ級チャンピオン
川嶋勝重さんです。
普通、これは絶対ありえません。ケタ外れの努力したってムリです。
ありえないことをなぜ、彼はありにできたのか。
川嶋さんの秘密に迫ってみましょう。
川嶋さんの通っていた同じジムに、熱心な後輩がいたそうです。
その後輩は高校2年生で、東大に入ってプロを目指すと、ものすごい練習をしていました。
先輩である川嶋さんに、熱心に毎日アドバイスを求めてくる、かわいい後輩だったそうです。
ある日のこと、川嶋さんがバイト中に運転していた車のラジオから、営団地下鉄車両が脱線して反対側から来た電車にぶつかり、死傷事故が起きたというニュースが流れました。4人の死傷者の中に、聞き覚えのある名前があったのです。
「まさか。でもそんなわけない」
しかし、ジムに行ってみると、報道陣が大勢つめかけています。
死んだのは後輩だったのです。
世界チャンピオン・川嶋勝重さんはこう語っています。
「僕の場合、辛さに負けそうになるとき、自分を支える原点になっているのが、その後輩なのです。
その彼のためにもという思いが、僕の中にあるのです。
大事な試合の前には、必ず彼の自宅に行って、お線香をあげさせてもらっています。
亡くなった人のことはしょうがないとは思うんですが、彼のご両親がすごく喜んでくれるんです。
『息子の分までがんばってくれ。あなたはやれる人だからとことんやってほしい』と。
僕の試合をいつもリングサイドで応援してくれるものですから、おふたりに喜んでいただくためにも、がんばっていかなきゃという気持ちがあります」
「自分のために」では、行けるところに限りがあるんだと思います。
「あの人の喜ぶ顔を見たいから」そんなとき、人はありえないところまで行けます。
最後に光彦の評価
2005年出版と古いです。(新装版もあるようです、内容が異なります)
でも素晴らしい価値観のぎっしり詰まった本だと思いました。
★★★+0.5(5点中3.5点)
図書館にもあるかと思います。ぜひ覚えていらっしゃったら、立ち読みしに行ってみてください。