【第9章】(旧)ポエムと瞬きの日々に投稿された70の詩【5作品】
ご挨拶
当ブログをご覧いただきありがとうございます。
70作品中 41作品目~45作品目を公開します。
全ての詩の作者は光彦です。
第9章は暗い雰囲気が詰まった詩集だと思います
ではどうぞ、詩をお楽しみください。
41作品目【経験だけが正しいように思う】
2014年01月15日(水) 19時25分03秒
【経験だけが正しいように思う】
どこかに刺(とげ)の多い風が吹き荒れる
カーブを描く切っ先から、血が流れ固まりだしたのが景色
ここから去っても、この場所は僕のものさ
誰の気配もない寂しさは、所有物という意味だから
音なき時間、でも足りないのは言葉
冬の冷えた空気の中、雨のような潤いを嫌うけれど
乾いた空気が渇かした景色が痛い
この震えを止めるなら、裸のほうがむしろ温かい
うずくまってはいられないように脱ぎ捨ててしまえ
鏡に嫌われて、不細工に映る顔
黒い布がむしろまぶしいのは、光をはね返す生地でこちらを見つめるから
経験だけが正しいように思う、今の悲しみに意味などないと
42作品目【健やかな雲間】
2014年01月23日(木) 18時30分35秒
【健やかな雲間】
荒れ模様の肌色、曇っている灰色。
多い荷物を持ち運ぶ、ベトナム人のバイク便のように。
天国への近道は、一方通行を逆走すること。
警察官が見守る中、ほら堂々と交通違反。
ジョギングしながら、地味なジム施設の中で。
駆け巡る体は、脱獄囚のように。
急いで汗まみれ、逃げ伸びて逃げ切って体は宙を浮く。
君にハンサム、あげるよ贅沢。
マラカスだけしかない、質素だけれど躍動感。
ありがとうの後で僕が思ったことは
次の季節を君に贈ろう。
43作品目【行き止まり】
2014年01月16日(木) 18時51分46秒
【行き止まり】
将来が決まる気がして、なにをするにも億劫になる
これ以上年をとればもっと私は、可能性を失うのね。
将来が決まる気がして、決断の一つ一つが重くなる
未来はなにも保障してくれない、ただそう思うだけ。
我慢すれば得をするから我慢する
欲しているから我慢できる
こうしているうち時間は過ぎる
なにを我慢しているのかも忘れる。
過ぎる時間はいつも長い、なぜならやる気は戻ってこないから
過ぎる時間が短いならば、今からであれ戻ってくるのに
やりたいことを考えたけれど、いざ選択肢を見ると迷う
誘惑されてもいないのに、やろうだなんて無茶なこと
44作品目【行く先を決めよう】
2014年01月13日(月) 16時29分23秒
【行く先を決めよう】
いつはじめても遅すぎることはないと夢追い人は言う。
だけれどいつからはじめても、すべての人間の決断は早すぎる気がすると。
あのときもしも決断していなかったら、どうなっていたかもわからぬままに。
もしそれが早計であったなら、あとになってから気がつくけれど。
ずっと「これでよかったのかな?」と悩み続け
答えにならないのならば考える必要もないと、
そう思いながらも、別の人生への好奇心がある。
寂しさは前もって覚悟していなければ慣れることはできないと、
予期せぬ未来に対して言える。
選ばなくても道はあるけれど、
選べば覚悟ができるのだから。
45作品目【今日という日が二度くることをあなたはしらない】
2014年03月20日(木) 19時20分29秒
【今日という日が二度くることをあなたはしらない】
「人生なんて一期一会、今日しか今日がないから良いね」と
今日という日が二度くることを貴方はしらない。そのくせに、
残りを重ねて生きているよに、ますます輝いて
わたしの中にもまた1ページ、あせゆくあなたの空白の日々。
全てが受身で、自己主張がない
受けた問いには、応えられても。
うつむき加減、貴方はまたも
作り笑いで、元気を戻す
好かれることが、つらいくせして
疲弊とともに、ホッとして
貴方に「さよなら」言われれば
ままごとだったかのように
「今日しか今日がないから良いね」と雲散霧消(うんさんむしょう)の体(てい)の中。
後悔させない思い出を、貴方に誰が届けてくれるの?