(16冊目)「動じない」幻冬舎 王貞治 広岡達郎 藤平信一 要約 内容紹介 感想 読書

2021年5月7日

ページ数が少ないのに読むのに時間がかかった「動じない」
この読書シリーズでは15冊目までは、本の中身をそのまま掲載していましたが、
今回この16冊目から、ちゃんと僕が「ここに気づきがあった」という部分だけをまとめて公開していけるように努力する(できるだけww)。

 

その分、いままでより文字数が少なくなりますが、そのほうが良いでしょ?
ええやろ??

(16冊目)本番に強い心の状態を学ぶ「動じない」幻冬舎 王貞治 広岡達郎 藤平信一 要約 内容紹介 無料 感想 読書

人物紹介をします(興味ない方は飛ばしてください)

王貞治(おうさだはる)さん(野球選手、監督)

1940年東京都生まれ。早稲田実業学校から読売巨人軍に入団。1977年に世界記録となる通算756号本塁打を放ち、初の国民栄誉賞を受賞。
1980年に現役引退、監督になる。

広岡達郎(ひろおかたつろう)さん(野球選手・監督)

1932年広島県生まれ。呉三津田高校から早稲田大学へ。1年生からレギュラーで活躍。1954年に読売巨人軍に入団。1966年退団。その後・・・監督、評論家をしている。

藤平信一(とうへいしんいち)さん(合気道の先生・講演家、ワークショップなど)

1973年東京都生まれ。東京尾工業大学生命理工学部卒業。合気道十段・藤平光一(実の父)より指導を受け、心身統一合気道(しんしんとういつあいきどう)を学ぶ、今では合気道会の会長。道場の外においても、経営者や教育従事者、アスリートなどを対象にワークショップや講演会を行っている。

?グラップラー刃牙の愚地独歩も似たような名前の会だったよなぁ・・・神心会(しんしんかい)だっけか??

 

この本はこの3人が「合気道の気の力について語る」と言えば、まぁわかりやすいかな、と思います。

合気道の気の力について語る

どんなスポーツでも言えることですが「試合」があります。その「試合」で「緊張」したり「イライラ」したりしていては、普段の練習の成果は発揮できません。
就活の面接もそうですよね?もっともっと広く言えば「夜に緊張して眠れない」とか「他のことを考えて仕事に集中できない」とか、いろんな場面で「心の動き」が実力にブレを生じさせます。その結果「今日は調子が悪い」とか、日によって波がある状態を作ってしまいます。この「本番に強い心」を育てるのが「気の力を鍛える」ということになります。訓練は必要ですが、本書はその訓練の方法を、わかりやすく教えてくれます。

こう言ってしまうと「調子の良い悪いは、日々の健康管理とか、タスク管理とか、周囲の環境とか「気」以外の多方面の影響もあるだろう」と反論されそうですが、たとえ他の調子が良くても、心の状態が悪ければ調子が崩れるのも事実。心の状態を甘く見てはいけません。

 

(合気道で解決)スランプで仕事(野球)が楽しくないのは心の問題か?

広岡「やはり全体にうまくいかないのは心の問題ではないか?ということだったんです。要するに、野球というものを仕事にしているわけだけれど、それが楽しくないんですよ。そうなってくると、毎日試合に出るのも嫌になってきた」

誰から見てもこれは「心が弱っている」状態。こういうスランプのときに「合気道」は役に立つ。
特にスポーツの場合、頭(理屈)だけでスポーツをするのでは伸び悩む。心で身体を動かすという意識を持たなければならない。

心とは肉体の活動に大きく影響を与えているのである

たとえば、160㎝の合気道の藤平光一先生が、自分より身長も高く体系のゴツイ選手を背負い投げしたりが成功するのにも、ちゃんとした心構えがあるからだという。

藤平「自分は、相手の身体ばかり投げようとしていたのではないか?そうではなくて『心が体を動かす』のだから、相手の体ではなく心を導かなければならない。そのためには、こちらの気が出ていなければならないし、相手と気が通ってなければならない」とあるように。

野球では「飛んでくる球を打とう」という理屈ばかり考えていてはいけない。

 

(合気道で解決)技術だけでは気持ちが萎えた時、壁を乗り越えられない。

広岡「私がプロ野球に入って実感したのは、技術がいくら優れていても、技術だけに頼っていると、壁にぶつかったとき、気持ちが萎えてしまうということなんですよ。つまり、ぶつかった壁を乗り越えるすべがない。それが、心が健全ならば、次の段階へ乗り越えていける。そのあたりはおおいに(合気道を通じて)勉強になりました」

つまり、技術だけが上手でも、心が弱かったら、仕事も途中で諦めてしまう危険性がある。
合気道とは、心の強化ができるトレーニングなのです。

「運動というのは瞬発力が必要で、たとえばバッティングなら「バットをこう構えて、こういうふうに引いて」とか考えているうちにボールが来てしまいあっという間に通り過ぎてしまいます。頭で考えていたらまず間に合いません。行動というのは無意識に考えずできるようになるのが自然なんです」

頭で理解するのではなく、身体や感覚で理解する。頭で体を動かすのではなく「心」で体を動かすように、無意識に動くようにする。
※それには相当な鍛錬が必要になりますが・・・・

心を強化する具体的なトレーニングの方法

 

・臍下の一点

「心が静まっているとき、われわれの意識は下腹に静まっています。それに対して、意識が頭のほう、もしくは肩や胸など上体に上がることがあります。怒ってカッカしているときは意識はどこにあるでしょうか?ひどく緊張しているときはどうでしょうか?悩み事がある時はどうでしょうか?いずれも意識が上がっています」

一番理想的な意識を向ける場所は「臍下(せいか)の一点」と言われる、臍(へそ)の下の力の入らない場所です(チャクラで言う第二のチャクラですね)

心を静めるには「臍下(せいか)の一点」に力を入れ、意識を向けなければいけません。

・リラックスすること

「多くの人は、大事な場面でリラックスすることができません。リラックスすると身体的に弱くなると考えているからです。しかし、それは正しくありません。
正しくリラックスした状態は身体的に強く、持っている能力を最大限に発揮することができます。
正しいリラックスを知るには、虚脱状態との違いを理解する必要があります。リラックスが『力を抜く』とするならば、虚脱状態は『力が抜ける(抜けてしまう)』ことです。

リラックスは「意識的に力を抜くことです」
虚脱状態は「力が抜けてしまう」ことですので、ただダラーっとしたりボーッとしたりすることがリラックス状態ではありません。

・重みが下

「重みとは感覚のことであります(中略)、意識が上がった状態を『重みが上』意識が落ち着くべきところに落ち着いている状態を『重みが下』と言います

臍下(せいか)の一点に心が静まった状態では、上体の重みは臍下(せいか)の一点にあります。正しい立ち姿において、全身の重みは足の先端にあります。胸を張るなど力みが生じると『重みが上』の状態になります。」

・まとめ

まとめるとこの四大原則になります。

1、「臍下(せいか)の一点」に心をしずめ統一する
2、全身の力を完全に抜く
3、身体の全ての部分の重みをその最下部におく
4、気を出す

この4つの原則は、いずれの道を通っても同じことです。一つを得れば全てが得られ、一つを失えば全てを失います。
一つ一つの意味を理解したら、取り組みやすいことを行えば良いです。

 

おまけ・引用文(忙しい人は特に読まなくてよい)

ここからはなるほど!と思った部分を引用していきます。
大体の内容はもう語り終えましたので、本書が気になる方は実際に図書館で借りるか、中古か新品かを購入するかして読んでみてください☆

引用文1

王「たとえば頭に意識を置いて「打とう」「打ちたい」と思っているうちは、いくら自分ではビュンと振ったつもりでも、全然振れていない。生きたスイングになってないんです。そうではなくて、身体の芯はぶれずにしっかりと安定していて、バッターならばビュンと振れる、ピッチャーならばビュッと腕が振れる、というのがいいんですよ」

引用文2

王「ただ、バッターには「打ちたい」という気持ちがまるっきりないというのは困るんですよ(笑)」
藤平「打つのが仕事ですからね(笑)」

引用文3

王「要するに、押されると思っちゃうとダメなんですよ。押されると思うと、押されまいとするでしょう」
「たいてい、負けまい、押されまいと反発しますよ」
広岡「押されたら吸収しちゃえばいいんですよ(笑)」
王「押されようがどうされようが『知らんぷりしてればいい』と理解しています(笑)」

引用文4

広岡「それは守備でも同じです。バッターが打った球なんか、どういう変化をするかわからないんですよ。それを捕球するのに「こうじゃなければならない」なんて言ってたら、イレギュラーバウンドなんか対応できるわけがありません。考えて動く暇なんかないんですから(中略)」

反射的に、無意識のうちに、自然にできるようになるには、正しい練習を繰り返しやって身につけるしかないんです」

引用文5

王「これをやっていけば、もうちょっとやればきっといいところへ行ける。そう思うと、人には地獄の猛特訓に見えるかもしれませんが、本人はちっとも苦にはならないし、いっそう身が入りますよ、ですから(中略)明確な目的意識が持てるかどうか、ということ。コーチの立場からすれば、それを持たせられるかどうか、ということでしょうね。」

引用文6

藤平「『言われるままに動くこと』(中略)そうではなくて、教わる方が自分の意思で信じるということが大事だということですね。」
王「試合の後も素振り、深夜に夜食を食べて、また素振り(中略)生半可な練習では身につかない

引用文7


「(負け試合の後)「引きずる」と「切り替えて」はセットでしょうね。さぁ、ここからスパっと「切り替えて」いこうぜ、昨日は昨日、今日は今日だよ、とか言うんですが、そうはいかない(笑)我々、プロの世界の現実は、本当に精密というか、究極の技術の世界というようなところがありますから、そういうダメな結果のときに、そこからたとえば技術的な疑問が生じたら、それが解決できない限り、どうしてもつながっちゃうし、引きずらざるを得ないんですよね」
広岡「それが長く続いてしまう状態が、いわゆるスランプと言われるものなんですよ。」

藤平「そういうときに、私たちがよく訓練する『あること』があるんです。(中略)マイナスの観念がよぎった瞬間に、フッと息を吹いて吹き飛ばしてしまう

王「そうすると、一気にすべての観念がプラスになったような感じがするんです」

引用文8

王「教えるとはつまり『気づかせ屋』ですから」

最後に、光彦さんの評価

★★★(5点中3点)
文字数削減のため、最後のコメントはなしにします(^^♪

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