【第14章(最終章)】(旧)ポエムと瞬きの日々に投稿された70の詩【8作品】

2023年5月21日

 

【第14章(最終章)】(旧)ポエムと瞬きの日々に投稿された70の詩【8作品】

最終回

当ブログをご覧いただきありがとうございます。

66作品目から最後まで公開します。

全ての詩の作者は光彦です。

 

 

66作品目【卵と洗剤】

2014年04月12日(土) 02時51分02秒

【卵と洗剤】

卵に洗剤つぎ込んで・・・
無垢にしてこの上なく。
温めもせず割りもせず、
ただ綺麗にして・・・
二人の間に立ってはまるで、
手放さなければ、
互いが見えない。

だけれど今日も言葉を交わす。
卵はますます玉になる・・・
ほおばる思いの丈は今、
禁句をこぼしてしまいそう。

姿の見えない互いのことを、
ランゲージにして埋め尽くすのは
抱きしめられない憂鬱を、
さよならにしてぶつけそう。

体で愛せない日々を、ただごまかして、
はりきっても、
はしゃいでも、
いつもどこか浮いていた。

孤独を買い占めるように、
冷たくてやわらかい日々。
ライトの焦点に浮かぶ煙のような、
実体に当たらない存在を、ただ愛してた。

 

67作品目【幸せを利用して】

2014年02月17日(月) 00時02分22秒

【幸せを利用して】

愛する気持ちを利用すれば、
セックスだって気持ちよくなれるでしょ?
大好きだって利用をすれば、
わがままだって許せるでしょ?

ああどれほど冷静になっても、怖がっているようにしか思えない。

ぼくは、予知された未来は当たらないとおもう、
だから、意気込みも決意表明も待望も失いたくなる。
ぼくは、誰のことも好きではない、
だから、二人きりになるのが怖いんだ、群れていたい。

幸せを利用すれば、僕と君は愛しあうこともできるけど、
幸せを求めても、生まれ変わることにはならないのに。
幸せに満足すれば、それでいいと思えることが、
本当の幸せだと、失ってから学ぶだなんて。

ああどれほど偉くなっても、強がっているようにしか思えない。

 

68作品目【想像空間部】

2014年03月07日(金) 01時19分17秒

【想像空間部】

コンサートホールのブザーが鳴り響く。
PCがフリーズしたときの、雑音を思わせながら。
ブラスバンドがホルンにテューバを携えて、
トロンボーンとトランペットも、金色に光って。
司会が打ち明けるアンサンブルと室内楽。
ニューヨークにシカゴ、フランスにペテルブルグ。
スペインやイングランドを曲で旅した。

心の準備もできぬ間に、手を触れられたような、吹き込まれた音楽、
アンドロイドも便乗して、ダウンロードを始めた始末。
バリカンで坊主にしたようにごっそり、持っていかれた。
逃げ出せないほうが逃げないで済む。

美術館のように黙り込む客席。
今は冬と夏の間、小吉と大吉の間。
いったいどこにいるのだろう、どんな状態にあるのだろう。
図書館のように黙り込む客席。
今は火曜と木曜の間、2月と4月の間。
どちらへゆくか傾くか、育ちに任せ、突き破るか。

皺(しわ)の線にそって、液(つゆ)のきらめきはべらせて、
じゅるじゅる流れる音を飲み干す、のどごしに咲く果実。
未完成の、想像と可能性の余地を残すことが、
かえって人々の心の世界を、刺激した。

 

 

69作品目【君に出会うまでは】

【君に出会うまでは】

君に出会うまで、君のような人がたくさんいると思っていた。
8歳くらいのときは特に、君のような人しか友達にしたくなかった。
でも今は君のような人はもう僕の前には現れない。
これからの人生で何人も現れることはない。

君に出会うのは、本当は遅かった。
感動の水も、情熱の木も、にごって灰になっていた。
しかし君の大切さを、理解できるのは、過去に起因している、それが僕には痛いよ。

昔の自分なら簡単に愛を壊せただろう!
君を束縛したい欲望にしたがって!!
でも今の僕はどうだい?若さを内に認めていながら、取り捨て選択して切り落としてる。

どの通路へ行っても、君を悲しませると思った。
そして行き先を君に訪ねた。
もちろん君は「愛してる」と答える。
はっとして、なにを聞いてるんだと自分を叱る。
なにを聞いてるんだとおびえる。

僕は誰かに言う「彼女と僕の間に立ってほしい」
それは彼女のママにかもしれない、自分の親友にかもしれない。
彼女がずっと僕を愛することのできる距離を探して、いつも苦心するんだ。

昔の自分なら簡単に愛を壊せただろう!
駆け落ちして二人だけで無人島で暮らそうと!!
でも今の僕はどうだい?君をひとり占めにするほどに、終わりの世界が見えてしまうようだ。

君に出会うまで、君のような人がたくさんいると思っていた。
気がつけば君のような人はもう僕の前には現れないと自覚していた。
だからね、僕はどこにいても君がいなければ無人島に住んでいるんだ。
君をけっしてひとりじめしないから、それだけは、告白させてほしい。
それだけは、知っていてほしい。

70作品目【とくに何も伝えたいことがない】

2014年01月25日(土) 13時31分12秒

【とくに何も伝えたいことがない】

さっき20分前に思いついたことを自宅で忘れながら
なにごとにも驚かないと、またも肝にめいじる。
ガムに唐辛子、冷たい気持ちになる。
星に三日月、叩いていつしか燃え散る定め。

よい事ばかり想像したいとできないことばかり。
奏でてなお半日の余裕、冷たい色ばかり。
片隅に満ちたあの情景、こそぎとって綺麗にする景色。
そうさぁわたしはカットレタス、

カットレタスだけでは物足りないでしょ?

71作品目【優柔不断】

2014年01月17日(金) 03時58分56秒

【優柔不断】

コーヒーが渇かした腹を満たすには、
500円を投げ入れるより他はない。
大事なものが500円だったけれど、
なんて曖昧な「大事」であっただろうかと
閉じる目をそっと闇は駆け巡る。

ポストの中に覗く白い封筒かと、
手を伸ばしたけれど、
ポストの中がそもそも白かった。
いつまで経っても変わらない僕の心だったけれど、
変わらぬものをまだ発見できていない可能性が怖かった。

毎日をもろい感情で過ごすと、
いつも感性のままに生きていられて素敵だなんて
その思いが弱気へと導いてダメになってた、
誰に相談するのもできない
弱気の訓練で感情は消えている、
今は説明できないほどに、
つらいけれど、つらいと知るのも元気さ。
つらいけれど、もがくことも幸せさ。
きっと遊び疲れることが生き甲斐だろう。

72作品目【憂さ晴らし集う街角の影】

2014年02月14日(金) 01時00分37秒

【憂さ晴らし集う街角の影】

向こうの空のしたは昼下がり
月色の酒はおかんむり。
祭り末尾に奉(たてまつ)る
素敵な人にあふれる妬み。
お巡(まわ)りしていく街を切り裂き。

まとう夢見心地。
生まれく道に尻餅、如月(きさらぎ)
メロンしずくこぼし。
ガラスの羽のもこもこ手触り
売り飛ばしの刑さ。

ミッドナイトさよならつづくよ
グッドナイト心の身支度
待ち受けるものなんて、
すりきりの思いだけみたいね。

キットカットさよなら手がかり
言ったら散りゆく定めなり
自分を慰めるなんてできない、
傷つく前に歌おう。さよなら

73作品目【優しい気持ちを大切に】

【優しい気持ちを大切に】

どんなことがあっても普通のことになった。
運命って遠い存在なのかな?

かけがえのない希望も、
どこか溶けるように馴染んだ。

みじめであるはずの過去も、
受け入れるように馴染んだ。

星影だって海の橋立,、
見えなくて、でも淡い塩味。
幻想だけでも確かな感覚つかんだよ、
そばにいるかのようなぬくもり。

まだ切なさでぼやける前の、確かな絵が、
一度ぼやけると取り戻せない光景が、
知らず知らずに買った不思議な絵が、
作者不明の気持ちを誘う。

きっとまた見つかるさ、
鮮明な景色
否が応でも
進もうここから。

おわりに

ありがとうございました。
次回から「日記」の再アップロードをしていきます。

これからも当ブログをよろしくお願いします。



 

 




-